今回は冬に欠かせないコートに注目。40代になると肩や腕まわりの厚みが増し、お腹とお尻はふくらんでくるのでタイトなものが着づらくなります。やっかいなのは、やみくもにサイズアップしても解決しない点。普段9号サイズの人が13号を着ても腕が上げにくい、変なゆとりが出る…と問題が続出。きれいに着られない原因は必要な部分にゆとりがないから。どの部分も均等に大きくするだけでは着心地は改善できません。実は解決策はサイズアップよりも体型に合ったパターンにあるのです。
DHC体型研究LABでは、まず
ジャケット作りのときの方法を取り入れました。ベースは「縦・横・厚み」を3次元でとらえる立体的な
※1パターンメイキング。欲しい部分に適度なゆとりができます。このパターンにメンズの
※2テーラリング手法もプラス。たとえば脇部分を身体に沿う方向へ傾けることでヒップ部分に丸みが生まれ、背中はすっき りとしたラインを実現しています。
さらに今回はアームホールからバストトップ、裾へ伸びる切り替え線にも着目。この「パネルライン」と呼ばれる線はデザイン重視で入れる服が多いのですが、DHC体型研究LABは着心地のよさを目指して神経の流れの境界線と合わせた位置に入れています。縦長を強調しながらカーブしており、ごく自然な着用感なのも魅力です。
※1立体原型を基にボディ比率を数値化した、ミューラー理論に基づくパターン。
※2紳士服の「仕立て」を意味するが、服つくりの本質ともいわれている。
キリリとカッコいいデザインを彩るのはイタリア「A.G.M社」のツイード生地。ブルーのグラデーションが効いた上品なトーンで、ツイードならではの華やかさがありながら、デイリーに使いやすい色合いです。前端から衿ぐりにはフリンジをあしらい、縦ラインを強調。ここでもすっきり締まって見えるための工夫がほどこされています。体型の変化からタイトなデザインの服をあきらめていた女性にぜひ試してほしい一品です。